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シミュレーションラボを効果的に活用するために

生産性を高め、効果的な教育環境の維持を通して成功を収める3つの方法

「百の治療より一の予防」 このことわざを軽んじると、後悔をもって終わることがよくあります。シミュレーションプログラムを運用する担当者にとって、重要で役立つ教訓です。ラボの運用システムの構築を上手く行わないと、ラボが稼働せず、その後のフル稼働状態となるまで長い時間を要します。また問題が生じた際も、定期的に計画されたシミュレーションプログラムを実施する必要があり、そのためストレスを感じる環境が生まれてしまいます。シミュレーションラボを効率的に稼働させることに注力することで、「継続的なとレーニンを提供できなくなる」というリスクを減らせるのみならず、利用者であるスタッフや学生の不満も軽減できます。

どうすれば機器の不具合を防止したり、不具合に備えたりできるでしょうか。どうしたらスタッフを十分にトレーニングし、自信を持ったシミュレーション専門家に育成できるでしょうか。ラボの稼働停止時間を減らす方法はありますか。お客様がシミュレーションラボを効果的に維持するための3つの方法をご紹介します。

1. 一覧表を作る

「知らないこと」がシミュレーションプログラムに思わぬ影響を及ぼすことがあります。ラボのスタッフや、機器、その他保有している物の一覧表を作ることで、人や物が効果的に管理できるようになります。

シミュレーション医療教育学会(SSH)によると、 指導者はシミュレーションを実施する際の基本的な操作を理解する必要があります1 この際、追加トレーニングや強化が必要になることがあります。スタッフとのかかわり、ワークショップ、教育セッションおよび経験を踏まえることは、シミュレーションプログラムを成功させるために非常に重要です。

同様に、使用可能な機器、使用目的、操作方法及び利用者を「知る」ことは、利用に関する計画表を準備することを意味します。認定医療シミュレーション教育専門家(CHSOS)試験の詳細な計画2で推奨されているように、参照マニュアルを作成したり、最新のソフトウェアやファームウェアのアップグレードを実行したりすることなども含まれます。

参考資料を調べるのにかかる平均時間は18分といわれています3。 参考資料をまとめておけば、この時間を大幅に短縮できます。スタッフを助けるツールとなるほか、この種の一覧表は保守や問題が生じた際のトラブルシューティングのベースにもなります。
管理者のトレーニングや、参考情報の文書化・情報共有を図ることで、シミュレーションラボがより活用しやすくなることが実感できます。

2. 80/20分析を行う

まず、細かな点に目を向けたくなる衝動を抑えてください。研究によれば「メンテナンスの80%は、積極的な視点をもって取り組むべきであり、残りの20%は計画外の内容として想定するべきである」ということが示唆されています。4 この80/20ルールに従い、シミュレーションラボの定期的なメンテナンス予防保全計画を立てることで、円滑なシミュレーションラボの運用を維持できます。

一覧表作成時に集めた情報を利用して、定期的に点検やアップグレードを実施することをお勧めしています。こうした点検は現場のオペレーターが実施することもできますが、専門家が訪問する形で実施することもできます。使用前に機器の機能を十分点検することで、機材が使用できない、といったリスクを減らすことができます。また、保守点検のプログラムを通して、緊急時の対応ではなく機器の不具合防止に注力するため、コスト削減にもなります。5 そのうえ、こうした点検時の修繕は、故障時の修理よりも早く対応できます。

 

保守点検は、故障後の修繕よりもコストを12-18%抑えられるといわれています。8

 

さらに、ファカルティのミスに注力するよりも、継続的にファカルティの成功事例をサポートすることをお勧めします。シナリオの内容やシミュレーションのデザインをしっかり把握することは、ファカルティの能力向上に不可欠です。臨床シミュレーションと学びのための国際看護協会(INACSL)によると、「よくデザインされた医療シミュレーションは一貫した成績をもたらし、シミュレーションに基づく経験全体の価値を高めます…こうした基準を満たさなければ、資源を最適な形で利用できないか、あるいは、十分に活用できない状態となります」。6 密接なオリエンテーションや定期的な「再トレーニング」コースを強化することは、シミュレーションプログラムの維持に大いに役立ちます。

機材が使用できないといった想定外のトラブルが発生しないことで、ファシリテーターは計画通りにシミュレーショントレーニングを実施でき、学習者は中断されることなくトレーニング経験を積むことができます。

3. 悩んだら、優先順位をつける

機器を整備した状態に保ち、保守点検を行う努力をしていても、修理が必要になる場合もあります。機器に関するある程度の知識や、問題が生じたときの対応力を身につけることは、特にシミュレーションの世界では有用なスキルです。

研究によると、保守点検を行った際、6回のうち1回は、何らかの修正すべき不具合が見つかることが示唆されています。7 不具合に関する対応方法が、修理であっても、緊急時の故障対応であっても、トラブルシューティング策を適用することは役立ちます。

また、自信をもって行えるトラブルシューティングのみ実施することをお勧めします。さらにサポートが必要な場合は、専門スタッフが電話や、Eメールや現地訪問を通してお客様を段階的にサポートします。

スタッフが、シミュレーション教育の実施に関して自信が持てない場合に、サポートすることもまた重要です。当社の経験では、実際に携わるスタッフの方々はシミュレーション教育についてより詳しく学びたいと思っているにもかかわらず、どこから手をつけたらよいかわからない、といったことがしばしば見受けられます。指導の内容が例え是正を促す内容であったとしても、それを行うことでスタッフとの絆が強まり、長期的なよい関係を築くことにつながります。 

まとめ

シミュレーションプログラムを実施・維持できないリスクがある状況では、非常にコストがかかります。保守点検、トラブル対応知識の習得等、正しい予防措置を講じることで、ストレスを減らせるのみならず、生産性、信頼性の低下、時間のロスを防止できます。シミュレーションプログラムを継続的に実施できるよう体制を強化するための方式や、お手持ちの機材の維持に関するレールダルからのご提案や、詳細をご希望の方は是非一度、お問い合わせください。