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CPRフィードバックこれまでの歩み

蘇生科学の発展

2019年1月31日をもって、米国心臓協会(AHA) は、成人の心肺蘇生(CPR)スキルを指導するすべてのコースにフィードバック機能を搭載したデバイスの使用を義務付けることになりました。 米国赤十字社は、2018年1月に同様の取り組みをトレーニングコースに導入しています。

世界で初めてCPRマネキンが開発されてから、CPRフィードバックは大きな発展を遂げてきました。1960年以前は、今日の常識では考えられないような多くの方法で突然の心停止に対する治療が行われていました。直感的に、人々は傷病者の回復に何かできることがあると感じていて、科学はそれが正しいことを証明したのです。ここでは、世界で「最もキスの経験が豊富な」女性‐レサシアン‐の目を通して、CPRフィードバックの歴史をご紹介します。

写真:1973年、テレビ番組「ザ・トゥデイ・ショー」で特集されたレサシアン

1960年代

1960年、Dr. James Jude, Dr. William Kouwenhoven and G. Guy Knickerbockerは、 後に心肺蘇生(CPR)に発展していくく「非開胸心マッサージ」の論文をJournal of the American Medical Associationに発表しました。1 数年後の1963年、米国心臓協会(AHA)は正式にCPRを承認しました。 2

Asmund S. LaerdaがDr.Safar、Dr.Bjorn Lindと共に開発したレサシアンは、世界初のCPRトレーニングマネキンとなりました。レサシアンによって、質の高いCPRトレーニングのフィードバックがリアルタイムで提供され、正しい換気と圧迫はダイヤルで示されました。

写真: 1968年に発表されたレサシアンに関する論文

1970年代

1972年、世界初の大規模CPRトレーニングプログラムがシアトルで開始され、最初の2年間で10万人以上が認定を受けました。3シアトルはバイスタンダーによる手当に継続的に力を入れ、トレーニングの結果、心停止後の安全が最も確保されている場所のひとつとなりました。4

レコーディングレサシアンは、パフォーマンスのフィードバックを印刷でき、一般の人のトレーニングの助けとなりました。記録紙には、換気と圧迫の質が表示されました。

写真: ホワイトハウスにて、レコーディングレサシアンを使って胸骨圧迫を行う元大統領夫人ロザリン・カーター

1980年代

電話でCPRの指示を行うプログラムがワシントン州キング郡で開始されました。消防隊員と救急救命士が現場に向かう間、救命通信指令員が通報者に指示を与えます。指令員はCPRの認定を受ける必要があり、今では、指令員のサポートを受けて行うCPRは全米で一般的となりました。5

レールダルは、ただのCPRではなく質の高いCPRこそが結果に大きな違いをもたらすことを認識していました。スキルメータレサシアンは、定量的なリアルタイムCPR測定とフィードバックの高まるニーズに応えるべく誕生し、高度な電子装置を用いてCPRのスキルと流れを表示しました。

写真:多くの救命通信指令員がスキルメータレサシアンを使用して質の高いCPRのトレーニングを開始 

1990年代

公共アクセス除細動(PAD)プログラムでは、自動体外式除細動器(AED)を公共の場に設置し、一般市民へのトレーニングを開始しました。6 突然の心停止(SCA)からの生存率を高めるためには迅速な除細動が不可欠であり、現在では、ほぼすべての公共施設でAEDを目にするようになりました。

基本的なCPRフィードバック機能を搭載したレサシアンスキルガイドが発売されました。レールダルが開発したCPR-Dバージョンでは、自動体外式除細動(AED)の広範囲にわたるシミュレーショントレーニングが可能となりました。無料のフィードバックオプションとして、スキルガイドデバイスとスキルレポータプリンタが提供されました。 

写真: 1993年、NASAの宇宙飛行士であるMargaret Rhea Seddonは、ミッションに備えて無重力状態でのCPRトレーニングを実施

2000年代

米国心臓協会(AHA)および欧州蘇生協議会(ERC)のガイドラインでは、質の高いCPRの重要性にスポットライトが当てられ、CPRのトレーニングクラスでは、正確性と精度がより多くの重みを持つようになりました。

レールダルPCスキルレポーティングシステムは、スキルガイドデバイスとスキルレポータプリンタを補助するための追加フィードバックオプションとして提供されました。2000年末までに、レサシアンは豊富な組み合わせ、付属品、フィードバックオプションを提供できる柔軟性の高いモジュール型のマネキンとなりました。

写真: スキルレポータプリンタを使って、圧迫時にその場でフィードバックのレビューが可能に

2010年代

 AHAガイドライン2010 では、質の高いCPRの重要性が改めて指摘されたほか、大きな変更も組み込まれました。推奨される圧迫の速さと深さが修正されたことによって、個人とチームはCPRのスキルをさらに磨く必要が出てきました。同時に、シアトルにある蘇生アカデミーが注目を集めるようになり、心停止からの生存率を向上させるために、世界中から集まるリーダーたちに対してベストプラクティスに関する指導を行いました。

2013年に発売されたレサシアンQCPRでは、フィードバック機能とマネキンのモジュール性が向上しました。レサシアンQCPRはSimPadと連動し、さらに洗練されたCPRのディブリーフィングと解析が可能になりました。また、2015年には、ShockLink  の登場によって、レサシアンQCPRのユーザーが、臨床使用している除細動器を使ってCPRトレーニングができるようになりました。

写真救急隊員が、レサシアンに除細動を実施するというシナリオを使ってトレーニングしている様子

現在

米国赤十字社とAHAによって、成人を対象としたすべてのCPRコースで直接フィードバックを受けられる機器を使用するよう義務付けが行われたため、一般の人々も医療従事者も同様に、誰もが質の高いCPRトレーニングを受けられるようになりました。

2018年、レサシアンQCPR のデザインの見直しが行われ、さらに使いやすくなりました。最新の機能強化には、簡単かつ速やかに接続できるBluetooth Low Energy(BLE)、最長34時間携帯使用できる充電式バッテリー、かつてないほど豊富なフィードバックデバイスのオプションが含まれます。新しいレサシアンQCPRは、QCPRインストラクターアプリやQCPRラーナーアプリ、その他SimPad PLUSスキルレポータの新しいトレーニングオプションであるCPR for Teamsに対応しています。 

写真: 医療従事者が、臨床用の除細動器を用いてリアリティの高い環境でトレーニングを行っている様子

CPRトレーニングの未来

CPRトレーニングは、より頑健なフィードバックと分析を行うことで、トレーニングからすべての「推測」に基づくフィードバックを置き換えていく方向に発展を続けています。現在、フィードバック機能を持つツールが、ダウンロード可能なソフトウェアやアプリに統合されつつあります。また、AHAは、成人のCPRトレーニング要件を今後は乳児と小児のトレーニングにも拡大していくことを 発表 しています。

フィードバック技術が進化するにつれて、CPRトレーニングも進化します。レールダルの蘇生マネキンは、世界中で5億を超える人々の訓練に使用され、250万人の命が救われてきたと推定されています。この傾向が今後も続き、すべての学習者が自信をもってCPRを実施でき、救命に貢献できるよう、私たちは心から願っています。

写真: SimPad PLUSスキルレポータ上で表示されるチームでのハイパフォーマンスCPRトレーニングセッションのレビュー画面

レサシ マネキンシリーズ

レサシアンQCPRは、CPRトレーニングを新たなレベルの精度および熟練度へと引き上げます。実際の緊急時と同じ手順、設備、手法を用いてトレーニングすることで、専門のファーストレスポンダーは個人のスキルとチームワークの両方を仕上げることが... レサシアンQCPRは、CPRトレーニングを新たなレベルの精度および熟練度へと引き上げます。実際の緊急時と同じ手順、設備、手法を用いてトレーニングすることで、専門のファーストレスポンダーは個人のスキルとチームワークの両方を仕上げることができます。
個人のスキルを向上させ、チームのパフォーマンスを改善し、モチベーションを上げます。小児の命を救うためにできるだけ正確に準備します。 個人のスキルを向上させ、チームのパフォーマンスを改善し、モチベーションを上げます。小児の命を救うためにできるだけ正確に準備します。
リアルな胸の硬さ、タッチセンサー、新しいスキルレポータ・アプリを備えたレサシベビーQCPRは、心停止に陥った乳児を治療する新しいレベルの的確なトレーニングを提供します。 リアルな胸の硬さ、タッチセンサー、新しいスキルレポータ・アプリを備えたレサシベビーQCPRは、心停止に陥った乳児を治療する新しいレベルの的確なトレーニングを提供します。