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2030年まで、毎年100万人の命を救う活動を支援する

世界のレールダル

2030年に向けて

レールダルメディカルは、Helping Save Livesのミッションの元、ノルウェーに本社を置き、世界の25か国にて1600人の従業員が働くグローバル企業です。

レールダルメディカルジャパンは、このグローバル企業の一員としてのネットワークを活かし、世界の情報を日本の医療・蘇生の現場にお届けする役割を果たしていきます。

また、急性期医療と世界の医療研究を支援する独立慈善団体Laerdal Foundation(レールダル基金)、2010年に設立された非営利団体Laerdal Global Health(レールダルグローバルヘルス)、2019年後半に設立されたLaerdal Million Lives Fund(レールダルミリオンライブス基金)といった3つの組織とともにHelping save livesのミッションのもと、さまざまな側面から世界の救命活動を支援しています。

全組織共通のミッション:Helping Save Lives

2030年まで

毎年100万人の命を救う活動を支援する

これは、レールダルが掲げた大胆な目標です。

キーワードは「支援」です。レールダルの役割は、教育や治療に関するソリューションやサービスを開発することであり、一般の人々、通信指令員、救急隊員や病院で働く医療従事者など、人命救助に携わる方々のトレーニングを支援し、実際の現場での活動に向けての準備を支援することにあります。レールダルは、専門家団体やNGOや政府機関と協力して、必要なプログラムや活動を開発し、広く普及していくことでしか、これを実現することはできません。

現在の活動の指針となるのは、2016年に国連が策定した「持続可能な開発目標(SDGs)」です。その中でもSDG3「すべての人に健康と福祉を」を核としています。SDG3では、母体、新生児、小児の死亡率を減らすという目標を掲げているだけでなく、事故や突然の心停止などの非伝染性疾患による死亡率の減少も目標としています。

One Million Lives 特設サイト(英語)

100万人への内訳

私たちはこの目標の達成にむけ、次の点に注力していきたいと考えます:

  • 救命の確率の高い『早期介入』の強化 Early intervention
  • 意思決定のトレーニングや、ユーザーフィードバック、質の改善、再教育トレーニングのための『デジタルソリューション』の活用  Enabling technology
  • 効果が実証されている革新的なソリューションを効率的に広め、導入を推進『ベストプラクティス』の推進 Best Practice Implementation

 

「早期介入」の強化

早期介入が重要な理由:

救命の連鎖が作成された1988年当初、最初の輪は『心停止状態の患者が発見された時点』に設定されていましたが、しかし今日では『症状発生時』に設定されています。

救命率が最も高くなるかどうかは、この救命の連鎖の最初の2つの輪での働きに大きく影響されます。緊急事態であることが疑われた時点で119通報し、通信指令員に緊急事態の有無の判断がゆだねられることで、救命率は各段に上がります。このため早期介入は突然の心停止から救命率を高めるためにとても重要なのです。

日本における「早期介入」強化のためのプログラム普及活動

GRA(Global Resuscitation Alliance)とは、院外心停止(OHCA)に関する医学の発展を効率よく教育に反映させ、普及を図り、OHCA患者の社会復帰率の改善を図ることを目的に作られた国際団体です。GRAはAHA、ERC、 ARC、ILCORなどの国際組織や地域のEMS関連機関と協力し、地域別の重要なプログラムである蘇生アカデミーを世界各地で実践しています。アジア地域でも、日本が他国に先駆けて大阪蘇生アカデミーや東京蘇生アカデミーと開催しており、GRA日本支部の設立に伴い、さらなるOHCAの救命率の改善に向けての取り組みが期待されています。(参考文献:プレホスピタル・ケア 通巻156号 東京法令出版)

GRA Japan Capter (GRA 日本支部)

日本AED財団をはじめとする多くの組織の努力により、日本は世界的にみてもAEDが数多く普及している恵まれた状況にあります。レールダルメディカルジャパンは日本でのCPRの普及に努める日本AED財団の活動を応援しています。

公益財団法人 日本AED財団

『デジタルソリューション』の活用

デジタル技術は急速に発展しています。トレーニングにデジタル技術を応用することで、医療従事者はより良いパフォーマンスを発揮できるようになります。例えば、意思決定トレーニング、フィードバック、質の向上、再教育などの分野での活用が期待されます。

研究によると、AIを活用することで、通信指令員が心停止か否か、どのようなサポートが必要かをより早く、正確に判断できると言われています。またこれは心停止に限らず、脳卒中や敗血症といった、対話を通しての判断がより難しく、時間的な猶予を許さない緊急事態にも適用されます。

レールダルでは、蘇生領域における救命活動の支援にあたり、このようなデジタルソリューション(Enabling technology)の導入を推進していきます。

パートナーシップを通じたベストプラクティスの推進

ベストプラクティスの推進

早期介入とそれを可能にする技術の普及は、国内および国際的なパートナーとの共同を通じて、より広く、確実に推進していくことができるとレールダルは考えます。

シアトルのResuscitation AcademyとGRA(Global Resuscitation Alliance)が提唱する『10 STEPS』と呼ばれる心停止からの救命率を高めるのための最も効果的な10の推奨ポイントに着目します。

その中でも、前述のような通信指令員によるCPRサポート、早期介入、コミュニティでのCPRトレーニング、医療従事者によるハイパフォーマンスCPR、スマートテクノロジーを活用したCPRやPADは、最も着手しやすい内容とされています。重要かつ、効果的な実施可能なポイントは心停止からの救命率のみならず、その他の緊急性が高く、早期対応が患者の予後を大きく左右する、外傷、脳卒中、敗血症といった事象への対応にも適応されます。 

これら3つの領域ではそれぞれ、毎年世界で約500万人近い人が亡くなっています。そのうち2%が削減されれば、それぞれの領域で10万人の命が救われることになります。また予後に影響を及ぼすという意味でさらにその後の障害をも減らすことができると言えます。

その他、より多くの命を救える可能性を秘めているのは出生時の死亡率を下げることです。毎年400万人以上の母子がお産で亡くなっています。そしてその99%が低資源国で生じており、多くの場合安易に回避できる事由によります。赤ちゃんの10人中1人が、例えば背中を刺激するといった単純な行動で救命される場合があるのです。

レールダルは、WHOなどの団体と共にHelping Babies Breath and Mothers Surviveという活動を通して、看護師や助産師の出産サポート教育プログラムを推進し、2030年には毎年50万人の新生児と5万人の母親の救命活動支援を実現するという目標を掲げています。

 

レールダルは、「2030年までに毎年100万人の命を救う活動を支援する」という目標を掲げており、それを実現するためのプランとして、まず心停止による蘇生の分野で次の3点を推進していきます。

  1. 早期介入の強化
  2. デジタルソリューション(enabling technology)の活用推進
  3. ベストプラクティスの推進(最も効果的な方法の拡散)

そして、これらを推進することは心停止からの救命だけでなく、その他の緊急性が高く、早期対応が予後に大きく影響する外傷、脳卒中、敗血症といった症例からの救命にも適用できると考えます。また、低資源国における看護師・助産師への教育を通して出産に伴うリスクの軽減により、母子の救命活動を支援できると考えます。

レールダルは、「2030年までに毎年100万人の命を救う活動を支援する」という大きな目標掲げていますが、100万の救命活動の1つひとつにそれぞれの物語があり、傷病者、救助者、その家族、そして救命に携わる多くの医療従事者の活躍があるということを念頭に置き、Helping save livesのミッションを実現していきたいと考えます。

One Million Lives 特設サイト(英語)